男から見る『仕事と家族と自殺のリスク』
行政書士 兼 離婚情報コーディネーターの中森です。
2015年に大手広告代理店の女性社員が自殺するといったニュースでもあるように、
私たち日本人は、体調を崩しても、家庭がうまくいかなくても、何があっても仕事
が優先され、それが許されている社会に生きています。
こうした社会で生きてきた男性は、「仕事ができる=幸せになれる」という
公式を作ってきました。
しかし、『仕事⇒お金を稼ぐ⇒家族に豊かな暮らしをさせてやる⇒妻子は幸せ』
という図式がときに男性を危機に陥れることがあります。この場合、いったん仕事を
失うと、経済的にも情緒的にもどちらも家族にサポートを提供できなくなってしまうのです。
そして自信を失って自殺したり失踪したり・・・というケースに陥る場合もあります。
◆男性の自殺率
全般的に女性より男性のほうが自殺しやすい傾向が高い。これは国や時代を問わず、
男性のほうが衝動的だからとか、社会や家族からの期待が大きいためにプレッシャー
も大きく、押しつぶされるから、などと言われています。
過去には、2001年に50代男性の自殺率が増えたことがあります。この当時、不況の
ために多くの企業で大規模なリストラが行われ、そのターゲットになったのが人件費が
高い50代男性社員でした。
このように昔から自殺率と失業率には相関関係があります。仕事を通じて経済的サポート
と情緒的サポートを妻子に提供してきたと自負してきた男性にとっては、失業によりサポート
ができなくなった自分をさいなみ、自信を失って自殺してしまう。。。という悲しい現実
があります。
◆自殺に至る心境と子どもの気持ち
男性が失業して経済的サポートができなくなっても、情緒的サポートをしようと思えば、
できなくはありません。子どもが小さければその世話があるし、大きければ相談にのったり
宿題を見たり、パートに出る妻の代わりに家事をするなど、できることは沢山あります。
しかし、これまで仕事を通じて家族を守っていると自負してきた男性のとって、自分で
それを良しとしません。妻子を経済的に支えられない人が情緒的に支えられるわけがない、
失業したオレは無価値である、と考えてしまいます。これは妻子が実際にそう思っている
のではなく、男性の側でそう思ってしまっているのです。
それとは逆に、父親を自殺で亡くした子どもたちは、自分を責めます。稼げない父親を
責めるのではなく、お金のかかる自分を責めてしまうのです。子どもたちにとっては
経済的サポートが不十分でも、父親がただ「生きている」ことだけで情緒的サポートになります。
けれども、情緒的サポートと経済的サポートの調達源を一緒にしてしまっている男性は、
仕事を失うや否や、そうした家族の気持ちに気づくことが難しくなってしまっているのです。
◆「男なら妻子を養うべき」というかたくなな信念
男性の場合、仕事を失うと生きる自信まで失ってしまうことが多くあります。それは、
男性は「一家の経済的支柱」であることに男の存在価値を求めてきたことがあります。
『仕事ができる=男』という等式があるために、仕事を失うと「男としてのオレ」までが失われます。
それは本人のプライドを著しく傷つけ、再起不能にしてしまうほどです。仕事に「男としてのオレ」
を求めての大丈夫な時代は、終身雇用と年功序列、そして安定した経済成長が見込まれた時代のもの
です。現在のように正社員になること自体が容易ではなく、景気がよくなってもすぐに不景気になる
時代、仕事や地位は簡単に奪われてしまいます。そんな時代に仕事に「男としてのオレ」に信念を
注ぎ込んでいる男性にとって今はとても危険な時代なのです。
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なかもり法務相談事務所は、離婚問題という先の
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