夫婦のコミュニケーションがとれないのは発達障害のせい!?
ある40代の会社員男性。会社の産業医から
「発達障害の一つであるアスペルガー症候群ではないか?」
と言われ外来を受診しました。
この男性は日本でも有数の機械メーカーの管理職で、仕事は順調。
しかし、男性には、数年前に結婚した妻との間に子どもが1人いましたが、
男性は専業主婦である妻との間がしっくりこないとずっと思っていました。
「日常生活のささいなことで妻と対立してしまう」というのが
彼の主な訴えでした。
アスペルガー症候群の特徴としては・・・
知能は正常であるものの、生まれつき社会性の低下を認め、
「相手の立場に立って考えられない」
「場の雰囲気が読めない」
「自然なコミュニケーションが行えない」
といった症状を認め、それにより生活にさまざまな支障をきたしている方、
といった概念です。
◆夫は発達障害に違いない!
妻からも
「発達障害に違いない」
「発達障害だからコミュニケーションがうまくとれない」
と言われ、自分でもいくつか入門書を読んだところ、当てはまるところが多いように感じました。
彼は妻から、
「気遣いができない」
「仕事が忙しいといって、帰宅が遅い」
「家事の大変さをわかってくれない」
と何度も批判されていました。
◆診断の結果・・・
診断の結果、この男性に発達障害の兆候は全く認められませんでした。
アスペルガー症候群の診断に必要な小児期・児童期における対人関係の質的な障害やこだわりの強さは、
詳細に問診したにもかかわらず、まったく存在しませんでした。
つまり、この男性の問題は何らかの「病気」や「障害」によるものではなく、夫婦間に信頼感や愛情、
またお互いに対する思いやりが欠けていたのが原因だったのです。
多くのアスペルガー症候群の方は、小児期において、なんらかの不適応や問題行動を示すことが
多いとされます。
そもそも、発達障害は生来のもので、幼児期・児童期に何の兆候もない人が、
大人になってから発達障害を発症することはないのです。
昨今、この「大人の発達障害」が注目されるようになったのは、社会的な状況の変化の影響が
大きいようです。つまりは、一般企業の管理化が進むとともに、自営業が衰退し、
コミュニケーション能力に劣る人たちがはじき出されるようになったからといえるかもしれません。
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なかもり法務相談事務所は、離婚問題という先の
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