パワハラ・モラハラ加害者に共通する「自己愛的な人格」とは?
人は誰でも精神的に追いつめられると、自分の身を守るためにハラスメント的な
行いをすることがあります。
また自己中心的だとか、人から賞賛されたいとか、批判を認めないとか、などの
パワハラ・モラハラ加害者に特有な自己愛的な性格は、誰もが持ちあわせています。
また、自分が有利な立場に立つために他人を操ったり、ほんの一瞬にせよ、
殺してやりたいほど誰かを憎むことも珍しくありません。
しかし、だからといって私たちみんながパワハラ・モラハラ的な人間であるとは言えません。
通常は、仮にそういったことをしたり感じたりしても、そのその行動や感情は一時的なもの
であり、また、そのことに後悔の念を覚えます。
これに対して、パワハラ・モラハラの加害者は一時的に行動するわけでもなければ、
自分のしたことに罪悪感を覚えるわけでもありません。
絶えず、誰かを自分の利益のために操り、また破壊しようとする傾向があります。
パワハラ・モラハラの加害者は自分たちの苦しみや内部にある矛盾を他人に背負わせて
心の平衡を保とうとしますが、加害者自身は自分の苦しみを感じたことがないし、
自分の中にある矛盾にも気づこうとしません。
しかし、それでも苦しみや矛盾は存在するので、放っておいて自分が病んでしまう前に、
そういったものを他人に押し付けてしまうのです。
そうした加害者たちの生い立ちを調べてみると、子どもの頃に精神的に傷つけられたという
経験を持っている人がかなりの割合で存在します。
加害者たちは、その経験から相手に苦しみを押し付け、相手を犠牲にして自分を
価値あるものにする、そうしなければ生きていけない人たちでもあるのです。
◆自己愛的な人格の特徴
パワハラやモラハラの加害者は自己愛的な人格を持っていると言われています。
自己愛的な人格とは主に下記のように規定されます。
これらのうち5つ以上の項目にあてはまれば自己愛性人格障害だと診断されています。
・自分が偉くて、重要人物だと思っている。
・自分が成功したり、権力を持ったりできるという幻想を持ち、その幻想には限度がない。
・自分が特別な存在だと思っている。
・いつも他人の賞賛を必要としている。
・すべてが自分のおかげだと思っている。
・人間関係のなかで相手を利用することしか考えてない。
・他人に共感することができない。
・他人を羨望することが多い。
◆共感できない、激しい羨望を感じている
これらの特徴をあらわすと、
自分が偉大だという感覚を持ち、極端に自己中心的で、自分は賞賛や賛辞を
求めるのに、他人に対してはまったく共感することができない、
ということができます。
また、このような人格の持ち主は自分が持っていないものを持っている人を見たり、
あるいは単に人生から喜びをひきだしていたりする人を見ると、激しい羨望を感じます。
また、情が薄く、他人の複雑な感情を理解できないばかりでなく、自分自身の感情も
状況に応じた形でわき上がってこない、つまり感情が炎のようにきらめいたかと思うと、
すぐに消えてしまうのです。とりわけ悲しみや悲哀の感情は味わったことがないのです。
また、誰かに見捨てられたり、失望させられたりすると、この人格の持ち主は表面的には
悲しんでいるように見えますが、注意深く見てみると、それは
復讐の気持ちをともなった怒りや恨みで、大切な人間を失った悲しみではないのです。
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