毒になる親 ある医師の告白
ある腕のいい整形外科医の証言。
「そりゃあ、子どもの頃、親父にはよくぶたれたけど、
それは僕が間違った方向にいかないようにしつけるためだったんですよ。
そのことと、僕の結婚が破たんしたことが、一体どう関係あるん ですか?」
彼は6年間一緒に暮らした妻に出ていかれ、カウンセリングを
受けにきていました。 何とかして妻には戻ってほしいのだが、
彼女のほうでは彼の「かんしゃく持ち」の性格を治さない
限り絶対に戻らないと言っています。
彼女は、彼が腹を立てると 突然、怒りを爆発させることに怯え、
しかも情け容赦なくののしるのにはもう疲れ切っていました。。。
彼は自分がかんしゃく持ちで時として口やかましくなることは
わかっていましたが、まさかそのために彼女が出ていくとは
思いもよりませんでした。
◆父親との関係
彼の両親について尋ねると、彼は微笑み、著名な外科医だと
いう父親について誇らしげに語りました。
父はすべての患者から聖人のように慕われている素晴らしい人物で
その父がいなかったら 自分は医者にはならなかっただろうと。
次に、その父との現在の関係はどうかと尋ねると、
彼はちょっと落ち着かない様子で笑いました。
最近、自然療法などの分野に進むことを考えていると言ったところ、
父は激怒しそれ以来、話をするたびに言い争いになるのだという。
彼の父はそのようなものの価値を全く認めていませんでした。
つい、先日もその話が蒸し返され、怒った父は、彼のような人間は
一家の一員とはみなさないと宣言したという。
それで彼は非常に傷ついてしまいました。
彼が語った父親の姿は、明らかに彼が主張するほど
素晴らしい人物のものではありませんでした。
彼が父親について話をしている時に、両手の指を組んだり
離したりして 非常に落ち着きません。
◆父親はいつもそのように独裁的なのか?
「そんなことはないんですよ。
父はよく大声でわめいたり怒鳴ったりしたし、子どもの頃には
叩かれたこともよくあったけど、でもそれはどこの家でも
あることでしょう。父が特に独裁的だったとは思いません。」
彼はその時、「叩かれた」と言った瞬間、声が微妙に変化
していました。
◆そこで、叩かれた時の状況についてさらに詳しく尋ねてみました。
彼ははじめ曖昧に受け答えしていましたが、しばらく話して
いるうちに、子どもの頃にはベルトで週に2、3回は叩かれて
いたということがわかりました。
ちょっと口答えしたり、学校で悪い成績を取ったり、
何かすべき ことを忘れたりしただけで父の罰を受けるには
十分でした。
叩かれる場所は決まっておらず、背中・脚・腕・手・おしり、など
その時によってまちまちでした。
◆次に叩かれた時にはどれくらいの傷になったのか聞いてみた。
ケガをするほどひどいことはなかったと彼は答え、
「父親が 叩いたのは息子のためを思ってのことだった」
のだと主張しました。
◆さらに、そういう時には父親が恐ろしくなかった?
怖かったことは認めたものの、なおも父親は息子を矯正
しようとしていたのだと言い張りました。 ?
しかし、彼はその時、目を合わせようとしませんでした。
そして、さらに質問を続けていると言葉に詰まりはじめ、
とうとう目に涙が浮かんだのが見えました。
彼の抵抗はそこまででした。
彼はひどい苦しみと闘いながらも、長い間、心の奥に
潜んでいた「怒り」の原因が何だったのかを生まれて
初めて認めたのでした。
これこそ、腹を立てやすい性格の根源で、彼は子どもの時
から自分でもはっきりと意識することのないまま、
父親に対する憤りのない怒りをずっと押さえ込んできたのです。
そして、その爆発は手近にいる人間なら誰でも構わず向けられ、
大抵の場合は妻がその対象となっていたのでした。
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なかもり法務相談事務所は、離婚問題という先の
見えない暗闇に灯りをともし、再び子どもと笑顔で
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