不倫問題から見えてきた夫婦の葛藤
行政書士 兼 離婚情報コーディネーターの中森です。
夫32歳、妻31歳、結婚5年目で共働き、子どもはいません。
収入はほぼ同額で、家事も二人で平等に分担してやっています。
きっかけは、夫が取引先の24歳の女性と不倫関係にあるという
ことが発覚したことでした。
妻は不眠、食欲低下、無気力感などの抑うつ症状を示し、
仕事にも支障をきたすようになっていました。
夫はすぐに相手の女性と別れ、何とか夫婦の関係を修復したい
という思いは二人で一致していたものの、二人で話し合おうとすると、
妻が泣きながら夫を罵倒し、夫はただひたすら黙ってそれに耐え、
結局翌朝まで数時間を費やしても一向に話し合いが進展しないと
いうことが何度も続いていました。
◆妻と父親の関係
妻は非常に厳格で権威的な父親とそうした父親の
言いなりになる服従的な母親の下で育ちました。
そうした両親の夫婦関係を見て育った妻は、
女性も強く自己主張すべきであり男性に負けるべきではない、
仕事も家事も男女平等であるべき、
セックスは男性に服従するものだと思い嫌悪感を抱いていました。
そして、物静かで自分の言うことを何でも聞いてくれる夫には、
結婚以来ほとんど不満を感じていませんでした。
それゆえに、夫の不倫をしたことによるショックは計り知れない
ほど大きかったのです。
家では夫に怒りをぶつける妻でした。その理由は、
「彼を責めていたほうがまだ自分らしくいられる感じ。
本当は、とても悲しいし寂しい。
一人の女性としても人間としても、自信がなくなった。
でも、そういう自分を認めたくない感じもある」
とのことでした。
◆夫とその家族の関係
夫は初めて妻の怒りの奥にある傷ついた感情に触れ、自分は
これまで妻が気が強い女性としてしか見てこなかったのではないか?
ということに気づきました。
夫は一流大学を卒業し海外で華々しく仕事をしている2歳年上の姉
がいました。幼いころから両親に優秀な姉と比較され、
「男らしくない」
「頼りない」
「おまえはダメな子」
と言われ、自尊心を傷つけられてきました。
そして、自分の不倫によって妻を傷つけてしまった
ことに対して何度も謝罪の言葉を述べました。
しかし、夫は妻に対して小さな不満や怒りを自分の中に押し殺し
それが積み重なっていて、自分でも気づかないうちにそれが大きな
ものに膨れ上がり思いもよらない問題を引き起こしていることに
気づきました。
◆夫の口から出た妻への不満
共働きなので家事も平等にというのはわかるし自分なりにやって
いるつもりだが、妻からはいつもできていないところばかり
指摘されてきた。
確かに完璧にやってきたとはいえないものの、本音としては、
たまには
「きれいになったね」
「ありがとう」
とか言ってほしいと思っていたことを妻に伝えました。
妻は、職場の男性上司から、男性社員に対して厳しすぎると
何度か指摘されたことがありましたが、夫だけはそういう自分
を受け容れてくれているとおもっていただけにショックは大きい
ものでした。
しかし、そうした自分のあり方が夫を追い詰めていたのかもしれない
と思うようになり、夫にとって不倫相手はどのような存在だったのか?
自分とはどのように違う女性なのか?
を知りたいと思いました。
夫は、初めは不倫相手の仕事の相談にのっていましたが、次第に相手
が夫に好意を寄せるようになり、実家の問題や恋人との葛藤など
プライベートなことも相談するようになったのです。
これは夫にとって初めて女性から頼られるという経験であり、
「頼られている自分」
「男らしい自分」
という、これまで経験してこなかった自己感覚をもらたす体験でした。
◆いたみを分かち合うこと
妻は夫の優しさに甘えすぎていたこと、夫に対して厳しすぎた
ことを反省し、父親に対する未解決の葛藤に気づきました。
一方、夫は、妻が自分が思っていたほど強い女性ではなく、
かわいらしいところもたくさんあることを再確認し、
また、自分自身の傷つきやすさや自己評価の低さ、
そして男性としてのアイデンティティの問題を理解するに至りました。
お互い弱さも傷つきやすさもあること、自分らしさを押し殺して
強くなければいけないことはないことを受け入れ、
真に対等な夫婦になっていける可能性を感じられるように
なったのでした。
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なかもり法務相談事務所は、離婚問題という先の
見えない暗闇に灯りをともし、再び子どもと笑顔で
暮らしていくためのお手伝いをさせていただく
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